野球において一言でバッターを言っても色々なタイプのバッタがいて
打率が多少低くてもホームランをガンガン打つバッターもいれば
ホームランは打てないけど、小技で出塁していくタイプなどなど。
そんな中でよくみるタイプの1つとして
「瞬足の左打者」
って多いと思いませんか?
これは理由としては「内野安打」を狙ったものだと思われます
パワーがなくて長打が狙えないけど、脚は速いという選手が少しでも打率を上げるために一塁ベースにより近い左打席で打った方が内野安打の確率も増えるだろうという思惑で左打者になる選手は多いと思います。
しかし、最近では左打者の方が内野安打の確率は低くなるということがわかってます。
一塁への到達時間は左打者の方が早い
当たり前ではありますが、走力が高ければ高いほど1塁への到達時間は早くなります。
そして、右打者と比べて左打者の方が到達時間は早く、仮に同じ走力の選手が走り比べてみれば左打者の方が0.116秒早く、確かに左打者の方が有利のように思えてきます。
では、この差がどれだけ内野安打の数に繋がっているのでしょうか?
内野安打は右打者の方が多い
前述のように一塁への到達時間は左打者の方が早いのですが、内野安打の数は右打者の方が多くなります。
そして、それは走力の高い選手ほどその傾向は強くなるため、脚が早ければ早いほど右打者の方が内野安打は多くなるという不思議な結果になりました。
では、なぜ右打者の方が内野安打が多くなるのでしょうか?
内野安打には三塁側への打球が必要
秘密は打球方向です。
野球というものは当たり前ですがただ早く塁に到達すればいいというわけではなく、野手からの送球がくる前に塁に到達すればいいわけです。
つまり、野手の送球という要素も考えなくてはならないのです。
そうなった時に一塁から最も遠いのは三塁であり、三塁側からの送球が最も時間がかかるのです。
なので内野安打を増やすには三塁側に打球を打つ必要があり、右打者の方が三塁側に打球が飛ぶ可能性が高いため右打者の方が内野安打が増えていくのです。
打球方向 | ||||
三塁側 | 二遊間 | 一塁側 | ||
右打者 | 打球割合 内野安打率 | 48.26% | 39.49% | 12.25% |
8.71% | 8.59% | 7.95% | ||
左打者 | 打球割合 内野安打率 | 13.19% | 37.79% | 49.02% |
16.99% | 7.35% | 3.83% |
これは2020年のメジャーリーグでのゴロの打球方向と打球割合、内野安打率です。
右打者でも左打者でも内野安打率が高いのは三塁側へのゴロです。
特に左打者では三塁側にゴロが転がった時は16.99%とかなり高い確率で内野安打になっています。
しかし、打球割合では13.19%で最も多いのは一塁側への打球で49.02%です。
右打者の打球割合は綺麗に正反対の数字になっていますね。
つまり右打者でも左打者でも引っ張り方向の打球が多くなるということです。
左打者は三塁打の確率が増える
では左打者は意味がないのでしょうか?
そんなことはありません。
内野安打に関しては三塁側への流し打ちが難しいため不利に働きますが、長打・・・特に特に三塁打は三塁から最も遠い右翼への打球は左打者にとっては引っ張り方向になるため三塁打は左打者の方が多くなります。
実際に日本のプロ野球の歴代三塁打数は1位から15位まで左打者が独占しています。
まとめ
いかがでしたか?
まとめると左打席の方が一塁への到達時間こそ早いものの、野手からの送球に時間がかかる三塁方向への打球が少なくなるため結果的に内野安打が少なくなってしまうというものでした。
脚が速いから左打席ではなく、しっかりと選手の特性を生かした指導をしていく必要がありますね。