昨年、世界中に大混乱を巻き起こした新型コロナウィルスのパンデミックにより1年間の延期となった東京オリンピック。
新型コロナショックはまだまだ終わる気配もなく、オリンピック開催に対しての賛否がある中で遂に始まりましたね。
そんなオリンピックもあと数日となったわけですが、今回のオリンピックは日本勢の連日の金メダル報道。
なんと、金メダル数は8/5時点で歴代最多の21個で中国とアメリカに次いで第3位となっています。
ちなみに金メダル獲得数が2番目に多かったのはなんと前回の東京オリンピック。
もちろん、科学的トレーニングによって日本人選手のレベルが上がっていることが1番だと思いますが
やはりコンディショニングという面で自国開催のメリットが非常に大きいですね。
時差ボケはパフォーマンスを低下させる
海外遠征で最も影響が大きいのはやはり「時差」です。
2012年の「スポーツ・ヘルス」でアメリカのイリノイ州の医師らが、時差ボケと選手のパフォーマンスとの関係を発表しています。
その研究によると体内時間は1日に1時間しか調整できない上、西方面よりも東方面に行くほうが体内時計を早めなくてはいけないため影響が大きいとされています。
ちなみに今回のオリンピックでのメダル獲得数です。
元々、中国とアメリカは毎回メダル数が多いのですが、アメリカから日本は西方向のフライト、中国も日本との時差は1時間程度となるため時差の影響は受けにくと言えます。
そして、やはり日本が3位というのはこれまでの大会と比べると快挙と言えます。
逆にドイツやイタリア、フランスなどは東方へのフライトとなるため時差の影響を受けやすくなり、メダル数も減っていますね。
もちろん、時差の影響が大きい人と小さい人があるため一概には言えませんが時差のある場所に移動した直後では認知能力が必要な複雑な作業課題に影響が出ることはわかっていまし、筋力や無酸素運動、垂直跳びなどにも影響があるとされています。
また水泳選手では肘や肩の屈曲強度水泳選手がひじと肩の屈曲強度が弱くなり、短距離のタイムが落ちたという研究結果もあります。
このような結果は選手のパフォーマンスに影響を与えやすいものとして時差ボケによる睡眠不足だと考えられています。
体内時計と実際の現地時間とのズレによって、本来であれば体内時計では眠らなければいけない時間なのに現地時間は寝る時間でなかったり、逆に体内時計ではまだ寝る時間ではないのに現地時間は寝る時間だったり。
このようにして睡眠不足に陥り、コンディショニングを万全に整えておくことが難しくなってくるわけです。
時差ボケを解決するのに薬物療法もありますが、アスリートの場合はドーピングにも気をつけなくてはいけないですし、今大会に関して言えば1年延期による影響や新型コロナ禍事態のストレス、そして日本の気候など海外選手にとってはさらにコンディショニングの維持が難しい大会になってしまったのではないかと思います。
さて、そんな世界中を飛び回るトップアスリートにとって時差ボケ対策は必須となるわけですが、実際にどんなことをしたら良いのでしょうか?
フライト前から現地時間を意識
まずフライト数日前から現地時間に合わせた生活にしていくことです。
東方向へのフライトの場合、時間が進んでしまうためフライト前から寝る時間を少しずつ早くしていき、西方向へのフライトの場合は時間が戻るためフライト前から少しずつ寝る時間を遅くして調整します。
最終的に2〜3時間ほど調整できれば良いでしょう。
フライト中は水分をしっかり摂って現地時間に合わせる
フライト中では実際に現地時間に合わせた方が良いでしょう。
フライト直後に現地時間が眠る時間であれば寝ておきましょう。そうでないのであれば熟睡はしないでおきましょう。
寝る際はアイマスクや耳栓などをして少しでも眠りやすい環境を作って、映画を観たりアルコールを飲んだりは極力避けるようにしましょう。
現地到着後はしっかり体内時計をリセット
前述のように体内時計は1日で1時間ほどしか調整できません。
フライト前から少しずつ現地時間に合わせたといっても日本でも生活もありますので、日本にいる間に完全に合わせることは不可能です。
ですので、現地に到着したら本格的に現地時間に身体を合わせる必要があります。
そのためにはしっかりと日の光を浴びましょう。
人の体内時計は日光を浴びることでリセットされます。
また日光を浴びるだけでなく、日光を浴びながら運動をすることで血中メラトニンリズムが速やかに改善し時差ボケを解消しやすくなることがわかっています。
まとめ
いかがでしたか?
スポーツの世界もどんどんグローバル化していきトップクラスになれば海外を転戦することになりますし、特にアメリカでは国内だけでも数時間の時差があるためアメリカを主戦場にする選手は時差ボケ対策は非常に重要になってきます。
もしも、あなたが世界を視野に入れているなら時差ボケ対策をしっかり行なってください。