日本のスポーツの世界では昔から
「走り込み」
が重要と言われてきました。
特に野球では調子の悪い選手がいれば「走り込みが足りない。」「今の選手は走らない。」と指摘するご意見板がいたり。
しかし、数年前に某有名メジャーリーガーが「走り込みはやめるべきです。」と発言したことが話題になりましたね。
というわけで、走り込みは果たして必要なのか?
それとも不要なのでしょうか?
エネルギー供給の仕組みは3種類
筋肉が収縮するにはATP(アデノシン3リン酸)がADP(アデノシン2リン酸)に分解される時のエネルギーが使われます。
しかし、ATPは貯蔵量が少ないため、活動を続けるにはATPを再合成しなくてはいけません。
その再合成に酸素を必要とする「有酸素系」と酸素を必要としない「CP系」と「解糖系」があります。
大きなエネルギーを供給できるCP系
CP系は筋内に存在する「クレアチンリン酸」という物質を「クレアチン」と「リン酸」に分解するときに発生するエネルギーを利用してADPをATPに再合成します。
大きなエネルギーを供給できますがクレアチンリン酸の容量は少ないのでフルに動員すると10秒以内に枯渇します。
中等度のエネルギーを供給する解糖系
解糖系は筋内にある糖質をビルビン酸という物質に変換する過程で得られるエネルギーを使ってADPをATPに再合成します。
最初は血液中のグルコースから使われ、血糖だけでは足りなくなると筋や肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解され再合成に使用されます。
解糖系のエネルギー供給量はCP系と有酸素系の中間程度でフルに動員すると30秒前後で枯渇します。
長時間持続できる有酸素系
有酸素系は解糖系で生成されたビルビン酸や血液中の脂肪酸が細胞のミトコンドリア内にあるTCA回路に取り込まれてATPが産生されます。
有酸素系のエネルギー供給量は多くありませんが十分な酸素と糖質と脂肪があれば長時間エネルギーを供給し続けることができます。
多くのスポーツは短時間高強度運動
サッカーでは1回のスプリントで長くても20m程度で時間での10秒以下です。
野球でも「スタミナが必要」と言われる投手ですらもピッチング自体の運動強度は全力の80〜90%と言われていますので必要なエネルギー供給はCP系であり、CP系の回復は1分程度かかります。
通常、投球間隔は1分以内のためCP系だけでは供給しきれなくなってくるため解糖系も動員されます。
しかし、有酸素系が動員されるような低強度長時間の運動はありません。
そのため、走り込みで動員される有酸素系のエネルギー供給をトレーニングしても意味がないということになります。
HIITで間欠性回復力をアップさせる
マラソンなどの長距離走を除くほとんどの競技は短時間高強度のエネルギー供給の様式で行われるため、パフォーマンスアップを狙うのであれば短時間高強度の無酸素系の運動を行うとともに、無酸素系の回復力を高める必要があります。
そのため、走るのであれば短距離走を数多くこなすことなのですが、ダッシュの練習だけではスプリント能力が下がるという報告もあるため、他のトレーニングを行った方がいいでしょう。
そこでオススメしたいのが「HIIT」、通称「タバタ式」トレーニングです。
たった4分間で効果がある
HIITとは「高強度インターバルトレーニング」のことで昔から行われているトレーニング方法ですが「タバタ式」では20秒間の全力運動と10秒間の休憩(軽く動く)と7〜8セット繰り返します。
このインターバルは実際の競技でのエネルギー供給と回復の様式に即しているため、スポーツに必要な機能を高めることができます。
パフォーマンスを高めたいならEPochスポーツ事業部にお任せください
いかがでしたか?
HIIT、タバタ式トレーニングについてはまた別の機械に詳しくお話ししたいと思いますが、パフォーマンスアップを目指すならば各競技の運動様式に即したトレーニングをしなくてはいけません。
EPochスポーツ事業部はエビデンスに基づいたトレーニングでアスリートのパフォーマンスをアップさせます。
どのようなトレーニングをするべきか悩んでいる方はぜひご相談ください。