オスグッド病とは
脛骨粗面に発生する膝の代表的な骨端症の1つです。
スポーツ選手に好発する膝蓋骨付着部の疼痛と突出を呈する疾患で約25%に両側性罹患例がみられます。
成長期における過用症候群(使いすぎ)の1つと考えられ、反復する膝伸展力による脛骨粗面部骨端軟骨への牽引力が原因で繰り返される障害です。
脛骨粗面部の癒合が完成するのは18歳頃であるため高校生までのスポーツ選手に好発します。癒合は女子では1〜2年ほど早いです。
オスグッド病の原因
脛骨粗面には大腿四頭筋が膝蓋骨から膝蓋腱を経て脛骨に付着しています。
そのためオスグッド病には大腿四頭筋の筋緊張が密接に関わっています。
大腿四頭筋の筋緊張が増加する要因として
- 成長期による急激な骨成長
- O脚やX脚、回内足などの下肢のアライメント異常
- スポーツ活動におけるランニングやジャンプ時の強力な膝伸展力
が挙げられます。
オスグッド病の症状
- 脛骨粗面部の圧痛や運動時痛(特に長距離走、キック、ジャンプ、正座の際の床との接触時)
- 脛骨粗面部の骨性隆起
自覚症状の程度は病期のX線所見とは一致しておらず、運動負荷の強弱に関係しています。
オスグッド病の治療
症状の強い症例はスポーツの一時的な禁止を含む安静が必要です。
しかし、漫然と安静を支持すると体力低下によって復帰が遅れることも懸念されるので装具療法や徒手療法、運動療法も併用することが重要です。
装具療法では脛骨粗面直上の膝蓋骨下端部をオスグッドバンド(ストラップバンド)やテーピングで圧迫し大腿四頭筋の停止部にかかる負担を減らします。
大腿四頭筋の過緊張が問題となるので大腿四頭筋のストレッチやマッサージ、運動療法で大腿四頭筋が優位となるような動作を改善していく必要があります。