この記事を書いているのはメジャーリーグ開幕前なのですが
メジャーリーグはどうなっていますか?
メジャーリーグといえば
大谷翔平選手は去年同様にホームランを量産しているでしょうか?
そして、5年100億円の超大型契約を結んだ鈴木誠也選手はちゃんと活躍しているでしょうか?
1年目はタフな環境に慣れずに苦労するでしょうから
個人的には打率.250 本塁打18本をクリアできれば万々歳なんじゃないかななんて考えているのですが
実際にオープン戦では始まってから13打席ノーヒットと中々苦労していました。
そして、ようやく14打席目でようやく初安打、初ホームランとなりました。
そんな鈴木誠也選手ですが
ノーヒットが続く中でフォームを変えて修正していましたね。
元々、鈴木誠也選手はシーズン中でもこまめにフォームを修正することで知られてはいましたが
今回、変えたのは
前脚の使い方です。
鈴木選手はタイミングを取るときに、ほとんどの日本人打者がそうであるように
前脚を挙げてタイミングを取ります。
それをオープン戦第1号を打った打席では
前脚を上げずに、踵を少し挙げるだけにしていました。
このタイミングの取り方は
メジャーリーグでは一般的なタイミングの取り方で
「ヒールダウン」
と呼ばれています。
このヒールダウンのメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?
メリット①タイミングが遅くなりにくい
これは日本とメジャーリーグで投手のピッチングのリズムの影響もあると思いますが
日本人のピッチャーは前脚を挙げた時に軸脚にしっかりと体重を乗せて、ゆったりと
「1、2の3」のリズムで投げる傾向にあるため
打者も同じように脚を上げて、間を作った方がタイミングが取りやすいのです。
一方でメジャーリーガーは
前脚を挙げたときに軸脚にはほとんど体重を乗せずに
「1、2、3」と日本と比べて、早いリズムで投げる傾向にあるため
前脚を挙げているとタイミングがどうしても遅れがちになります。
あのイチロー選手ですらも、メジャーに渡ってからは振り子を止めてしまいましたよね。
大谷翔平選手も日本では脚を挙げていましたが、タイミングが合わずにヒールダウンに変えて対応できるようになりました。
メリット②ミート力の向上
前脚を上げる打ち方だと軸脚側に体重を乗せ、その後にステップに合わせて体重が前に移動しやすくなるため
目線が上下にブレたり、体重移動の移動量にムラができやすく
スイングが安定してきません。
ヒールダウンであれば、すでにステップした時と同じ幅で構えて
重心移動をほとんど行わないため、スイングが安定しやすくなります。
メリット③発揮するパワーの増加
ヒールダウンでスイングをするとほとんど重心移動を起こさないので確かに運動エネルギーは稼げませんが
その分、軸足側のパワーを発揮しやすくなります。
実は前脚側の踵を挙げる時に股関節を内旋させるのですが
その時に軸足側に沈み込みながら僅かに重心移動を起こします。
この瞬間的な重心移動によって、プライオメトリクスで言われているようなSSCが作用し
爆発的なパワーを発揮します。
*SSC(Short Stretch Cycle):筋肉を瞬間的に伸張させると、伸張反射によって、直後に通常以上の強い収縮が生まれる仕組み
前脚を挙げると軸脚に重心が移動しますが、上に伸び上がるようになりSSCが働かなくなり、結果的にはパワーが生み出せなくなります。
ヒールダウンを習得して対応力のあるスイングを手に入れよう
いかがでしたか?
これはどちらが良い・悪いではありません。
メジャーでバリバリに活躍していた打者が日本では全くタイミングが取れなくて打てないということもありますので、慣れの部分はあります。
しかし、ヒールダウンでタイミングを早くしておけば、待てば良いだけの話ですので
対応できる幅が広がります。
また3つ目のメリットのようにヒールダウンの方が下半身の力を使いやすくなりパワーが増加しますので
ヒールダウンに取り組まない理由はあまりないように思います。
というわけで、メジャーリーグの理論を取り入れた野球指導で
野球が上達したいのであれば
エポックスポーツ事業部にご相談ください。