コラム

早生まれはスポーツに不利ではない。劣等感を与えない指導を

「早生まれは不利」

そんな言葉を聞いたことありませんか?

もし、それが本当だとしたらどうしたらいいのでしょうか?

今回は早生まれの影響についてお話しします。

早生まれとは

早生まれとは1月1日から4月1日に生まれた人のことです。

生まれた年が違っても、学校や会社に入る時の年度が同じために起こる現象です。

 

なぜスポーツに不利と言われるのか?

子供のうちは成長が早く、極端な例では同じ学年でも4月2日生まれの子と翌年の4月1日生まれの子が同じ学年になります。

そうなると1年間の差が出来てしまいます。

子供の頃の1年の成長は大きいので、同学年でも体格の差が出やすくなります。

学習能力でも差が出るため、戦術などの理解度でも差が出やすくなります。

実際に男子では中学卒業時くらいまでは差が出ると言われていて

小学1年~中学3年の男女計3610人が2016年に取り組んだ体力測定の結果を、年度前半の4~9月生まれと後半の10月~翌年3月生まれに分けて比較したところ、男子は小1~中3の全学年で、前半組のほうが握力などの身体的特性が高く出たという報告もあります。

実際にプロ野球選手に関しては早生まれの選手は全体の14%なのに対して、4〜6生まれの選手は38%と差がでいます。

 

早生まれでも諦めない

では、早生まれはスポーツの世界で活躍できないのかというとそうでもありません。

野球以外でもサッカーやバスケットでもプロ選手には遅生まれが多く、早生まれは少ないという結果が出ていますが

サッカーの日本代表選手に関しては早生まれの選手は44%で、日本の人口での早生まれは23%ですのでサッカーでは早生まれの選手が多いということになります。

世界のプロスポーツ選手5000人の統計を見ても早生まれと遅生まれで差はなく、早生まれは不利という傾向にはないとされています。

また日本でも五輪選手の中で歴代のメダリストは早生まれが最も多く、遅生まれ(特に4月)は少ないという結果も出ています。

 

早生まれでもメリットはある

同一学年内でも最大1年の差が出来てしまうため、体格や知能の成長に差が出てしまうのは確かにデメリットになりやすいのですが、早生まれの子は周りの方が身体的に優れているという環境の中で競うことでレベルアップしやすくなるという側面もあります。

例えば野球ではプロ選手になるのは第一子よりも弟の方が多く、2リーグ制になってからの45年間で第一子のホームラン王は1人もおらず。さらに首位打者になった選手も85.7%が弟という結果が出ています。

これは身近にレベルの高い目標が存在して、一緒に競い合う経験をすることで弟の方が上達しやすいと言われています。

これと同じで早生まれで体格が劣っていても、競い合うことで遅生まれよりも高いレベルの能力を身につけることも可能です。

 

劣等感を与えない指導

体格で劣る早生まれの子をしっかりと育てるためには指導法が重要になります。

早生まれの子はどうしても遅生まれの子よりも劣る傾向があるため、勝利至上主義の指導者の下では試合に出る機会が少なくなり、モチベーションが続かずにドロップアウトしやすくなります。

実際に早生まれの子の方が中学から高校、高校から大学と進学するにつれて競技を辞めてしまう子が多いと報告されてます。

そうならないためにも劣等感を抱かせないようにメンタル面のケアをしたり、出場機会がありそうなチームに移籍したりといったことも必要になるかもしれません。

海外のアスリートでは早生まれが不利というデータがないのも、海外では出場機会がなければ他のチームに積極的に移籍したり、できないことよりもできることにフォーカスするといった指導法が主流だからかもしれませんね。

 

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