「ストレートがあっての変化球」
「困った時のストレート」
野球をやっていれば、こういった言葉はよく聞くと思います。
実際にメジャーリーグでも2020年は全球種の中でもストレートの投球割合は
34%と最も高い球種でした。
しかし、その数字も年々下がっており
必ずしもストレートが投球の軸
というわけではなくなっています。
なぜなら、ストレートは全球種の中で
最も危険な球種だからです。
ストレートは空振り率が低い 球種別のイベント発生率
主要な球種として
ストレート
2シーム
スライダー
チェンジアップ
カーブ
カットボール
スプリット(フォーク)
がありますが、各球種に対してスイングした場合、どのようなイベントが起こるのか。
その割合は以下のようになります。
<ストレート>
空振り19.9%
ゴロ 11.7%
内野フライ 3.1%
外野フライorライナー 19.7%
ファール 45.5%
<2シーム>
空振り13.9%
ゴロ 24.2%
内野フライ 1.9%
外野フライorライナー 18.6%
ファール 41.4%
<スライダー>
空振り 34.7%
ゴロ 13.8%
内野フライ 2.9%
外野フライorライナー 15.4%
ファール 33.3%
<チェンジアップ>
空振り 30.5%
ゴロ 19.6%
内野フライ 2.0%
外野フライorライナー 16.4%
ファール 31.4%
<カーブ>
空振り31.6%
ゴロ 15.7%
内野フライ 2.4%
外野フライorライナー 16.9%
ファール 33.5%
<カットボール>
空振り24.2%%
ゴロ 5.6%
内野フライ 2.9%
外野フライorライナー 7.9%
ファール 39.5%
<スプリット(フォーク)>
空振り33.3%
ゴロ 19.4%
内野フライ 1.8%
外野フライorライナー 14.6%
ファール 30.9%
ストレートが最も長打になる 球種別のリスク
また、各球種の打球の質を見てみると
<ストレート>
平均打球速度 145.6km/h
平均打球角度 18.7°
平均飛距離 59.3m
<2シーム>
平均打球速度 143.0km/h
平均打球角度 4.9°
平均飛距離 42.9m
<スライダー>
平均打球速度 138.1km/h
平均打球角度 13.7°
平均飛距離 50.4m
<チェンジアップ>
平均打球速度 137.3m
平均打球角度 7.7°
平均飛距離 44.8m
<カーブ>
平均打球速度 139.4km/h
平均打球角度 11.3°
平均飛距離 49.8m
<カットボール>
平均打球速度 139.4km/h
平均打球角度 12.9°
平均飛距離 51.3m
<スプリット(フォーク)>
平均打球速度 139.3km/h
平均打球角度 5.5°
平均飛距離 42.6m
となっています。
このことからストレートは
・空振り率が低い
・ファウルにされやすい
・ゴロになりにくく、フライボールになりやすい
・打球速度、打球角度、飛距離とも最大となるため最も長打になりやすい
非常にリスクの高い球種だということがわかります。
一方で最も空振りを奪いやすい球はスライダーとなっており
さらにスライダーに匹敵する空振り率を誇りつつ、フライボールの確率が低く、打球飛距離が短いのはスプリット(フォーク)となっていることから
スプリットは最もリスクの低い球と言えるでしょう。
日本人投手でも田中将大投手や大谷翔平投手は決め球としてスプリットがありますし
日本人メジャーリーガーのパイオニアでもあり、メジャーで何度もノーヒットノーランを達成した野茂英雄氏の決め球もフォークボールでしたね。
また、2022年に読売ジャイアンツに新戦力として加入したシューメイカー投手はスプリットが投球の30%以上を占める珍しい投手で
2014年にはメジャーで最高勝率を獲得していましたね。
ピッチングの最新トレンドは変化球中心
いかがでしたか?
このようにデータで見ると
ストレートをピッチングの軸にしていくと
いかに危険なのかということがわかると思います。
とはいえ、ストレートが全く意味がないのかと言われればそういうわけではなく
フライボール革命の代償の1つとして
高めのストレートは空振りしやすくなっているため
変化球を中心に配球パターンを作り
ストレートの特性を踏まえて組み込んでいくことが重要です。
身体への負担のかかりにくいフォームなら エポックスポーツ事業部
とはいえ、変化球中心のピッチングは怪我のリスクが心配という方もいるでしょう。
最近の研究では実はストレートが最も怪我のリスクが高いのではないかと言われています。
(計測方法に疑問を持たれてはいますので、本当にそうかはまだわかりません)
どちらにせよ、負担のかかりにくいフォームは重要です。
エポックスポーツ事業部ではメジャーの理論も組み合わせて
怪我のリスクが低く、パフォーマンスを高める方法をお伝えしていますので
ピッチングでお悩みの方はぜひご相談ください。