コロナによる自粛、リモートワークによって日常での運動量が激減した影響で
筋トレをはじめとしたフィットネスブームも起こりましたね。
そんな中で自転車を始めたという人も多いのではないでしょうか?
自転車はランニングや水泳と比べると
初期投資はかかりますし
時間当たりでの消費カロリーは少ないですが
関節への負担が少なかったり
ランニングや水泳では味わえない風をきる爽快感も手伝って
長時間続けることができて、結果的に消費カロリーが多くなりやすく
ダイエットとしては最適です。
そんな自転車ですが
ランニングや水泳と違って、ものすごい難しいことがあります。
それが
ポジション調整。
自転車をそれなりにちゃんとやろうとすると
シューズをクリートという道具を使って
ペダルに嵌め込み固定します。
こうすることで自転車を漕いでいる時に足がズレたりしないため
ペダリングの効率が良くなり、楽に速く走ることができます。
そのため、その他の部分で誤魔化すこともできなくなるため
ハンドルやサドルの位置もしっかりと決めてあげないと
身体にとってはすごいストレスになって
速く走れないし、疲れやすいし、さらには色々なところに痛みが出るようになります。
では、どのようにポジションを設定すれば良いのでしょうか?
設定する場所は
サドル-クランク間距離(サドル高)
サドル前後位置
クリート位置
ハンドル高さ
ハンドル距離
の5つです。
サドル-クランク間距離(サドル高)の設定
まず、1番大事な設定がサドル高です。
当たり前ですが自転車は脚を使って漕ぎますので、下肢で踏む力を最大限発揮できるようにしつつ、スムーズにペダルを回せるようにしなければいけません。
このサドル高さはサドルの中心からクランク中心までの長さのことです。
この距離は股下を計測して、係数をかける方法が主流で
私が現役の時は
股下(cm)× 0.875〜0.893
というのが一般的でした。
ちなみに私は上限の0.893で設定しています。
しかし、最近では研究が進み
ペダルが1番下になった状態で
膝の角度が145〜150度になるように設定すると最も負担が少なく、効率が良いということがわかっています。
そんな計測は難しい、めんどくさいという人は
ペダルに踵を乗せて漕げる高さが良いでしょう。
サドルの前後位置の設定
次にサドルの前後位置です。
クリートで引き足を使うとはいえ、最大の出力は踏み込みですから
踏み込みしやすい前後位置に設定する必要があります。
これはペダルを1番前にした状態(3時の位置)で
膝の皿からの垂線がペダル軸を通るようにします。
ペダルの前後位置をイジるとペダル高も変わります。
前に動かせばペダル高は低くなり
後に動かせばペダル高は高くなるため
この2つを交互に調整しながら、漕ぎやすいところを見つけてください。
クリート位置の設定
下肢の力を最終的にペダルに伝えるのは足部になるので
ペダルとシューズを固定するクリートの位置もとても重要です。
これは一般的には母趾球がペダル軸と一致するように設定すると言われていますが
最近では母趾球よりも後で踏めるように設定する選手が多いようですし、私自身もクリートは1番後ろで踏めるようにしていました。
これは諸説あるので、私の中でもまだ決着していない部分です。
ハンドル位置の設定
下半身のポジションが決まったら、次は上半身です。
そのためにハンドル位置を決めましょう。
初心者の方はハンドル位置を近く高くすることで
身体を起こせるので腰や腕への負担も少なく、呼吸も楽になります。
しかし、身体を起こしていると体重をペダルにかけられませんし、空気抵抗も大きくなるため
速く走るには不向きです。
体重を利用できないので、脚の疲労も大きくなるでしょう。
これは目的に合わせて変わってくるので
速さに拘らずのんびり走るなら近く高くして
少し速めに走りたいなら遠く低くしましょう。
ちなみに私はヨーロッパのプロ並みに遠く低くしており
サドルとハンドルの高低差は12cmにしています。
元実業団ロードレーサーが教えます
いかがでしたか?
自転車は長時間行うためポジションをしっかり設定してあげれば
とても快適な反面
間違った設定をするとストレス以外の何者でもありません。
私は現役時代はサドルの高さが1mm違うだけで、違和感を感じるくらいでした。
もしも、自転車を始めたばかりでポジション設定がわからない人は
参考にしていてください。
自分1人じゃわからないという人は
ぜひご相談ください。