女性の婦人科系疾患の増加には過剰なダイエットによる栄養不足や女性の社会進出による肉体的・精神的ストレスの増加の影響があります。
男性よりも女性がダイエットやストレスによる影響を受けやすいのは「月経」による「出血」が関係しています。
東洋医学的でも婦人科系疾患は「血」の不足が大いに関係していて、血が不足する「血虚」では不妊になりやすいとされています。
一般の女性でもこのような症状に悩まされるわけですから
さらに厳しいトレーニングと食事制限をする女性アスリートはさらに深刻になっています。
特に思春期の女性アスリートでは運動負荷と低体重が相乗して、月経発来や月経周期に大きく影響していることがわかっています。
摂食障害は高い死亡率の疾患
米国の産婦人科学会によると一般人口における摂食障害の有病率は0.5〜10%ですが、痩せ型の女性アスリートでは16〜47%と非常に高い割合になっていると報告されています。
摂食障害の死亡率は5〜6%と非常に高い死亡率となっています
またそれだけでなく心疾患、骨代謝異常、生殖の問題、消化器症状など様々な合併症を引き起こします。
思春期の女性に必要なカロリー量とは
女性ホルモンの代表でもあるエストロゲンの思春期の産生にとって、バランスのとれた栄養はとても重要です。
12~18歳の活動的な女性の約2,200~2,400kcal/日ほど必要だとされています。
同時に1日最低60分の運動が必要とされています。
栄養・・・特にタンパク質が最も必要とされているのは11〜14歳といういわゆる成長期。
この時期に食事摂取が不安定であったり、食事制限をしていたり、菜食主義だった場合には成長の遅れ女子棒体重の現象のリスクが高くなります。
痩せている方が有利な競技は危険
月経が始まるには体脂肪率が17%以上、正常な月経周期の維持には22%以上が必要とされています。
そのため、陸上、体操、フィギュアスケート、ダンスなど痩せている方が有利とされている競技では無月経の有病率が高く、反対に水泳や柔道、レスリングのように痩せていることのメリットが少ない競技では有病率は少ないと報告されています。
月経再開には9ヶ月を要する。
このように女性の場合は痩せていることは非常にリスクの高い状態だと言えます。
もしも、月経に何かしら問題・・・特に月経が止まってしまっているのであれば食事内容を見直す必要があります。
月経の再開には理想体重の90%以上を平均して9ヶ月維持する必要があるとされています。
摂食障害の人にとって、食べるように指導することは非常に大変だと思いますが
死亡率や合併症のリスクが非常に高い危険な状態であることをしっかりと伝えていかなくてはいけませんね。