足底腱膜炎とは
過用症候群の一つとされ、足底腱膜の踵骨付着部の運動時、歩行時痛を主訴とする疾患です。
足底腱膜炎の成因
足底腱膜は足の縦アーチの保持に重要な役割を果たしています。
また踵部が設置する際の衝撃を吸収し足部の安定化に大きく寄与しています。
そのためランニング・ジャンプなどの動作の繰り返しにより足底腱膜に過度のストレスがかかり炎症が生じます。
回内足・回外足やハイアーチ・扁平足といった足の構築異常が問題になることが多く、ハイアーチ・扁平足ともに衝撃吸収能力が低下し損傷され、回内足・回外足では着地の際に強い回内・回外を強制されるために損傷されやすくなります。
外的要因として練習量の増加、内容の変化、グランドの状況、シューズの影響などが考えられます。
足底腱膜炎の自覚症状
歩行、ランニング、ジャンプなど運動時の踵部内側付近の疼痛が主症状です。運動開始時に強く、運動を続けると軽減する傾向があります。稀にやや遠位、土踏まず部分に疼痛が発生する場合があります。
理学的所見・画像診断
足底腱膜付着部である踵骨隆起内側の著名な圧痛があります。足趾の多動的な背屈で疼痛が誘発される場合がありますが、腫脹や発赤、熱感などの炎症症状はほとんどみられません。
踵骨隆起の付着部に骨棘がみられることがありますが、必ずしもそれが足底腱膜炎に伴うものとは限りません。
足底腱膜炎の治療
①安静
スポーツ活動によって引き起こされる過用症候群であるため急性期は安静が必要ですが、日常生活で疼痛がみられなければ完全休養にする必要はなく疼痛の程度に合わせて練習メニューの調整をします。
②ストレッチ&マッサージ
足底腱膜の柔軟性を確保する目的で下腿三頭筋を中心にストレッチやマッサージを行います。
③足部構築異常の矯正
マルアライメントやシューズのチェックなどを行い、足底板やテーピングで矯正します。
回内足では内側のヒールウェッジの使用、扁平足ではアーチサポートを使用しますがアーチサポートは高すぎると逆に足底腱膜の緊張を高めてしまうため注意が必要です。