スポーツの競技力向上において筋力が重要であることは誰もが知っており、そのためにはウエイトトレーニングを行うことは当たり前のことです。
しかし、そのウエイトトレーニングも育成年代に行う場合は「いつから行うのが良いのか?」という問題が付き纏います。
そこで今回は子供の成長曲線からどのようなトレーニングが最適なのかをご紹介します。
こちらの図は育成年代の体力発達モデルです。(「小児医学」1986年、宮下)
幼児期(プレ・ゴールデンエイジ)~小学生(ゴールデンエイジ)は動作の獲得
この時期は神経系の発達が最も盛んです。
そのため、たくさん身体を動かして遊ぶことが重要になってきます。
近年では「危ない」という理由で公園から遊具が姿を消していますが、ああいった遊びによって手足で身体を支えたり、バランスを取ったり、様々な姿勢で手足を思い通りに動かすことを覚えていくのです。
遊具がなくても鬼ごっこやケンケンパ、縄跳びといった昔ながらの遊びでも獲得できるのでおすすめです。
中学生(ポスト・ゴールデンエイジ)は持久力の強化
この時期は身長や体重が急成長する時期です。
この時期は急激な身体の発達に神経系が追いつかず、一時的に運動能力が低下してしまう子もいるほどです。
なので、自分の身体の重さでも扱いきれない時期ですのでウェイトトレーニングよりも自重トレーニングで筋力をつけていくことが重要な時期です。
またこの時期は呼吸器や循環器の発達が盛んなため幼児期~小学生の時期に身につけたスマートな動きを長続きさせる持久力を身につける低負荷で持続的なトレーニングがいいでしょう。
高校生(インディペンデントエイジ)は力強さ
この時期は身長や体重の成長が落ち着いて筋肉の発達が著しい時期です。
この頃からダンベルやマシンなどの用具で高い負荷をかけて、筋肉を肥大させスマートな動きに力強さをつけていくことが狙いになります。
<個別の成長曲線に合わせて計画を>
育成年代の年間身長発育曲線(「新・日本人の体力標準値」)
これまでお話しした各時期はあくまで目安であり、個人個人でその切り替わるタイミングは異なります。
そのタイミングを調べるには子供の身長を定期的に記録することです。
上の図で書かれている
第1段階がスムーズな動作を獲得するプレゴールデンエイジ~ゴールデンエイジ
第2段階がスムーズな動きを長続きさせる持久力を獲得するポストゴールデンエイジ
第3段階がスムーズな動きに力強さを獲得するインディペンデンスエイジ
TOAは身長の伸び率が高い時期(Take off age)
PHVAは身長の増加量が最も多くなる時期(Peak Height Velocity Age)
FHAは身長の増加量が1センチ未満になる時期をFHA(Final Height Age)
となります。
最も重要なことは第2段階に入るタイミングです。
第2期に入る直前に身長の伸び率が落ちるタイミングがあります。
第2期は前述のように身長と体重の発育に対して神経系が追いつかずにパフォーマンスが一時的に落ちる子も珍しくありません。
そんな時に無理矢理に練習量や負荷量を増やしても、怪我のリスクを高めるだけです。
この第2段階では自重トレーニングでや持久力トレーニングを行います。
そして、筋肥大のためのウェイトトレーニングを始める第3段階は身長の伸び率が急激に落ちて、ほとんど身長が伸びなくなる時期です。
身長が伸びなくなってきたら本格的にウェイトトレーニングをしましょう。
神経系の伸び率が落ちてしまったからこそ動作の獲得を重視する
とはいえ、現代の子供たちは身体を動かす機会を奪われているため、スムースな動作の獲得をすることなくゴールデンエイジ、インディペンデンスエイジを迎えていることが非常に多く見られます。
その状態でゴールデンエイジで持久力を鍛えようとしたり、インディペンデンスエイジで高負荷をかけようとすれば異常な負荷をかけ続けることになり怪我のリスクを高めるだけになってしまいます。
神経系の伸び率・・・動作の獲得の伸び率が落ちているからこそ、より丁寧に時間をかけてトレーニングをする必要があります。
EPochスポーツ事業部は怪我のリスクを減らし、最大のパフォーマンスを発揮するために正しい身体の使い方の指導を得意としています。
・神経系の伸び率が高い時期にしっかりと動作の獲得をしたい。
・すでにゴールデンエイジを過ぎてしまったけど、正しい動きを身につけてパフォーマンスアップをしたい。
・正しい動きを身につけて怪我のリスクを減らしたい。
そんな選手や指導者の方々は是非EPochスポーツ事業部にご相談ください。