暑い夏が終わりプロ野球もとりあえずペナントレースも終わり、先日の平成の怪物・松坂大輔投手、ハンカチ王子・斎藤佑樹投手引退など一時期を築いた選手の引退ニュースで盛り上がりましたね。
引退理由もさまざまで単純な実力不足で若いうちに戦力外通告を受けて引退する選手もいれば、十分なキャリアを積んできた中でもう限界と引退する選手もいます。
また引退ではないですが、華々しいキャリアを引っ提げてFA宣言をして他球団に高額な年俸で移籍する選手もいます。
その年俸に見合う活躍をする選手もいれば、そうでない選手もいます。
そして、これは野球に限らず、どのスポーツにも言えることですね。
10代の頃にすごい活躍をした選手も20代になってから伸び悩んだり、逆に20代半ばや場合によって30代になってから大活躍をする選手もいます。
また今年のスポーツ界最大級の話題といえば大谷翔平選手の大活躍。
日本野球史上最高の才能としてメジャーリーグに渡ったものの最初の数年は期待されていたような活躍ができなかったにも関わらず、今年はいきなりホームラン王を争うまでの変貌ぶり。
今年のシーズンMVPはほぼ確実と言われています。
しかし、ここで一つの疑問となるのが
大谷選手は来年以降も活躍できるの?
パフォーマンスのピークって何歳くらいなんだろうか?
ということです。
これはもちろん個人差であったり、競技特性の差もあるので一概には言えませんが
ピークには大きく分けて2種類があり、それは
①肉体的ピーク
と
②精神的ピーク
です。
肉体的ピークは20代半ば
肉体的な能力といえば
瞬発力
敏捷性
反射神経
のようなものが代表的なものになります。
肉体的な成長は10代半ばから20代前半・・・いわゆる高校生~大学生の年代ですね。
実際に筋肥大を目的としたトレーニングが推奨されるのも高校生以降となります。
そのためフィジカル面の影響が大きい競技だと20歳前後がピークとなることが多いですね。
実際に陸上競技やフィギュアスケートなどは10代でピークを迎え、世界的な選手でも20代前半で競技生活を終える選手も少なくありませんよね。
また女性アスリートの場合は女性特有の肉体的な変化によって男性よりもピークを迎えるのが早いと言えます。
精神的なピークは20代後半~30代
次に精神的なピークですが、能力的には
経験値に基づく判断能力
や
精神的な安定です。
長く豊富なキャリアによって、どんな状況でも取り乱すことなく安定したパフォーマンスを発揮することができます。
精神的なピークは一般的には中堅からベテランと呼ばれるような20代半ばから30代半ばと言われています。
競技特性によってピーク年齢は変わる。
肉体的なピークと精神的ばピークの2つがあるわけですが、競技によって肉体的な能力の影響が大きいのか、それとも精神的な能力の影響が大きいのかは違います。
最もわかりやすいのは陸上競技のようにシンプルに「走る」「投げる」「飛ぶ」といった肉体的な要素が明らかに大きい競技ですね。
五輪選手の多くは10代~20代半ばがピークですし、ウサイン・ボルト選手が世界記録を達成したのも22歳の2008年と23歳の2009年でそれ以降は記録は落ちていっています。
逆に精神的な要素が大きい競技ではピークを迎えるのが遅く、競技人生も比較的長くなる傾向にありますね。
比較的最近であればアーチェリーの山本氏がアテネオリンピックで銀メダルを獲得したのは2004年、年齢は42歳でした。
山本氏のエピソードで有名なのは2002年のアジア大会で自身が射るタイミングで何度も携帯電話の着信音がなり、明らかに意図的なものであったが「抗議をすれば自分の技術不足をさらけ出すようなものだ。」と抗議せず、なんとその大会で優勝。
まさに精神的な能力が発揮された事例ですね。
野球選手のピークは28歳。
さて、というわけで最初の引き合いに出した大谷選手の今後ですが大谷選手は現在27歳。
となると前述のように肉体的なピークは全盛期を少し過ぎています。
しかし、野球は経験による配球を読むなど経験値が物を言う部分もあり、一般的には28歳がピークと言われています。
多くの名選手たちがキャリアハイを残すのも28歳が多いと言う統計も出ているようですよ。
もちろん、近年では科学的なトレーニングなどを取り入れることで選手寿命は伸びていますし、ダルビッシュ投手のように30歳半ばでも肉体的なパフォーマンスを上げていく選手もいますから一概にはいえませんが、選手たちの今後の伸び代などを考える時の1つの指標にしてみるのも良いですね。