コラム

150km/hの豪速球を生み出す腕のしなりに大事なのは胸の張り?

150km/h、 160km/hを超える速い球を投げたい

 

野球をやっていたら誰もがそんな憧れを持っているのではないでしょうか?

 

150km/hや160km/hとまではいかなくても、少しでも速い球を投げることができるように日々練習していると思います。

 

そこで今回は速い球を投げるための条件・・・

 

もちろん、色々とあるのですが今回は

 

肩の最大外旋(Maximum External Rotation : MER)

 

についてです。

 

肩の最大外旋位(MER)とは

「肩の最大外旋位(MER)」とはピッチング動作において「レイトコッキング期」という踏み込み脚を地面に着いて、腕を振ってボールを加速させる「アクセラレーション期」の間に起こる肩関節が最も外旋する現象です。

いわゆる「腕のしなり」と言われるもので、球速に与える影響が大きく、この時の肩の最大外旋位が大きいほど球速は速くなるとされています。

 

肩の最大外旋位は肩だけじゃない

実際の投球動作において、この肩の最大外旋位は145°なのですがこの角度は

肩甲骨と上腕骨で構成させる肩甲上腕関節だけで達成できるものではありません。

構成要素としては

肩甲上腕関節外旋が105°

肩甲骨後傾25°

胸椎伸展10°

その他5°

となっています。

とはいっても、実際に145°まで外旋させることができる選手は多くなく

大谷翔平投手は日本ハム時代は132°

田中将大投手は119°

だったとされています。

 

特に胸椎の伸展(胸の張り」が球速アップの鍵

上記の最大外旋可動域の中で最も構成割合が大きいのは肩甲上腕関節なので、この関節が重要なのは間違いないのですが、実は球速の速い選手とそうでない選手で差が出やすいのが胸椎の伸展です。

ピッチングを指導されるときに「しっかりと胸を張れ!!」と言われますよね。

この胸の張りというのは胸椎伸展のことで実際に球速が145km/hを超える選手は「上体反らし」の成績が良い傾向にあり60cm以上を記録すると報告されています。

胸椎の伸展が出れば、それに伴って自然と肩甲骨も後傾していくので、結果的に最大外旋位(MER)はさらに大きくなりますね。

 

ちなみに現役のプロ野球選手で12球団最強クラスと言われているオリックスの山本由伸投手の練習風景がSNSでアップされていて、その柔軟性に野球愛好家たちを驚かせたのは記憶に新しいですね。

 

 

胸椎の伸展を出すにはヨガのポーズがおすすめ

それでは胸の張り・・・胸椎の伸展を引き出すにはどんなことをすればいいのでしょうか?

もちろん、たくさんあるのですが基本的な柔軟性を出すのであればヨガのポーズがおすすめです。

 

①上向けの犬のポーズ

②ラクダのポーズ

③上向きの弓のポーズ

④三日月のポーズ

 

まとめ

いかがでしたか?

球速アップには肩の最大外旋位(腕のしなり)が必要ですし、それを広げるためには胸椎の伸展(胸の張り)が必要です。

今回は柔軟性アップのためにヨガのポーズを紹介しましたが、もちろん柔軟性だけではすぐに球速アップにつながるわけではありません。

土台となる筋力も必要ですし、柔軟性と筋力を使いこなすために伸張反射を使った筋肉の機能(SSC)を高めていく必要もあります。

その辺りはまた別の機会に紹介いたしますので、乞うご期待。

 

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