アスリートにとって栄養補給も立派なトレーニングです。
栄養の中でも筋肉の材料となるタンパク質は特に重要で多くのアスリートがプロテイン飲料を飲んでいると思います。
そこで今回はプロテインを飲むタイミングについてお話しします。
ゴールデンタイムに飲む
プロテインを飲むタイミングといえばよく言われるのは「ゴールデンタイム」と呼ばれるトレーニング直後の1〜2時間以内ですね。
これはテキサス大学が行った研究で
被験者たちに1時間の筋トレ後にアミノ酸を15gを摂取してもらい、1時間事に筋タンパクの合成量を計測した。
1〜2時間後が最高値を示し、その後は1時間事に減少した。
という報告が発端となっています。
ゴールデンタイムだけではもったいない
アメリカ・シュリナーズ病院の研究で
20代のトレーニング未経験者を集め、トレーニング前後にアミノ酸15gを摂取してもらい24時間における筋タンパクの合成感度の上昇時間を計測。
合成感度は24時間後まで高い数値を示した。
しかし、この研究はトレーニング未経験者を集めたのでトレーニング経験者では違うのではないかという疑問が生まれたので
マクマスター大学がトレーニング経験者の20代男性達を集め、トレーニング後の24時間後にホエイ15gを摂取し筋タンパクの合成率を計測した。
その時に
①高強度で疲労困憊になるようにトレーニング
②低強度で疲労困憊にならないようにトレーニング
③低強度で疲労困憊になるようにトレーニング
の3つのグループに分けた。
結果、①と③では筋タンパクの合成率は24時間高い状態を継続した。
つまり疲労困憊までトレーニングを行えば時間とともに現象はするものの筋タンパクの合成率は24時間高い状態が続く。
と報告しています。
このことから現在は「トレーニング後の24時間を意識しろ」ということが常識になっています。
では、24時間の中でどのタイミングで飲めばいいのでしょうか?
プロテインは3時間おきがベスト
オーストラリアのRMIT大学は
20代の男女を集め、7日間、トレーニング後の12時間における筋タンパクの合成率を計測した。
この時に
①40gを6時間おきの2回
②20gを3時間おきの4回。
③10gを1時間半おきの8回
で比較したところ、②が最も高い合成率を示し①と③ではあまり増加しなかった。
つまり、タンパク質は3時間おきの摂取がベストである。
と報告しています。
就寝前のプロテイン摂取は効果的?
プロテインを飲むタイミングといえばトレーニング直後以外に成長ホルモンの分泌が高まる
就寝中
も効果的と言われてきました。
しかし、今ではそれも否定されています。
これは2012年のマクマスター大学の研究で
12週間のトレーニングを行った結果、約20%の筋肉量の増加を認めたが成長ホルモン、テストステロン、インスリン様成長因子は筋肥大には有意な関連がなかった
と報告されています。
つまり成長ホルモンなどの分泌は増えているけど筋肥大には関係なさそうということです。
また就寝中はタンパク質を吸収する腸の働きは低下しているため筋合成はむしろ落ちており、筋分解の方が有意になっているため筋肥大はしにくい時間となっています。
寝る前に飲むなら○倍
2008年にマーストリヒト大学は
①就寝前に20~25gのプロテインを飲ませたグループ
②水飲みのグループで
筋タンパクの合成量を計測したところ、有意差はなかった。
就寝前のプロテインは意味がない
と報告しているのですが
「もしかしたらタンパク質の量が少なかったかもしれない」という仮説の下、
就寝時のタンパク質摂取を増やしてみたところ40gで筋タンパクの合成が促進された
と報告しています。
トレーニングするなら夕方
さらにマーストリヒト大学は2016年に
20代の被験者達をグループ分けして、異なる時間で筋トレをさせた。
すると夕方に筋トレをしたグループは他のグループよりも30%以上も筋タンパクの合成率が増加した
と報告しています。
まとめ
①筋肥大をさせるためには3時間ごとのタンパク質摂取が理想。
②就寝時はタンパク質を摂取できない上に筋分解が有意なため、就寝時の筋分解を抑制し筋合成を高めたい。
③そのためには夕方にトレーニングをした上で就寝前は通常の倍である40gの摂取をするべきである。
ということになります。
EPochスポーツ事業部はこのように栄養面でのアドバイスもできます。
トレーニングに関することでお悩みのことがあればぜひご相談ください。